抽出設備

高い処理能力、高段数プロセスに適した抽出塔

住友の往復動式抽出塔は、広い操作範囲と高い処理能力を有し、化学工業、石油化学工業、医薬品製造業、非鉄金属業など様々な分野の抽出操作において幅広く採用されています。

構造及び抽出原理

往復動プレート式の向流抽出塔
上下に液静置部を持つ塔本体、プレートスタック、プレートスタックを上下往復動させる駆動部より構成されます。プレートスタックは、開孔率50 - 60%の円板多孔板を一定間隔ごとに配置した構造となっています。また、ステンレス製プレートと塔壁とのメタルタッチを避けるため、一定枚数ごとにテフロン製バッフルプレートを配置します。

プレートの上下往復動による液滴分散
往復動式抽出塔では、プレートスタックを上下往復動させることにより液滴分散を行っています。例えば、軽液側を連続相、重液側を分散相とすると、スプレー塔などでは比重差により分散相が連続相中を通過していくだけですが、本装置では液滴がプレートで繰り返し叩かれることで微細液滴となり、かつ分散と合一がより促進されます。その結果、液滴の表面積が大幅に増大するばかりでなく、ホールドアップ量も増大し分散相と連続相の接触時間を長くすることが可能となります。

図を拡大図を拡大すると、構造を確認できます。

プレートスタックの構造

特長

往復動式抽出塔は、省エネルギータイプの高性能な液‐液抽出装置です。
以下に代表される分離プロセスで、効率的なプロセス操作が可能です。

・共沸系・沸点差が小さい系など、蒸留による分離が難しい操作
・加熱により、色や香りなど品質に影響を受ける製品の分離
・バッチ式の抽出装置では十分な分離ができない高理論段抽出操作
・水溶液から高沸成分回収など、脱水操作の省エネルギー化

1.スケールアップが容易で確実
ガラス製パイロットテスト機(塔径25mm)で得られたデータから実装置にスケールアップする手法が確立されています。
プレートの往復動による液滴分散は塔径の大小に依存しないため、テストでの分散状況と同じ分散状況を実機でも再現することが可能です。このことが、テスト機から実機へのスケールアップの容易さ及び確実さに繋がることとなります。
2.高い処理能力
大容量処理、高段数処理プロセスに適しています。単位断面積当りの最大処理量は60m3/m2hr、パイロットテスト機における1理論段当りの高さは通常100~500mmです。設置面積を最小に、コンパクトな設備構築が可能です。
3.均一な液滴分散
塔断面の全ての部分で効率的な液-液接触が可能です。エマルジョン化傾向を有する液にも適用できます。
1)塔断面方向の液滴分散
往復動式抽出塔は、プレートの往復動により液滴を分散させる方式のため、塔断面方向にわたり一様に等しい撹拌を行うことができます。そのため、液滴分布は均一となります。
2)塔高さ方向の液滴分散
液物性によっては、塔高さ方向に対して液滴分散の疎密が現れる場合があります。プレート間隔の調整、往復動のストローク数の調整、負荷流量の調整により、均一で密な液滴分散が形成可能となります。なお、この液滴の分散は、パイロットテストにて確認を行います。
4.省エネルギー化
従来蒸留プロセスで処理していた系に導入することで熱エネルギー削減を行うことができます。

テクニカルサービス

連続式である往復動式抽出塔の導入に際しては、塔内における(分散相)の分散状況の把握が重要な設計因子となります。
パイロットテストによる実液運転での分散状況の確認、抽出性能の確認、等の各ステップを経て、実機計画に向け確実なスケールアップを行います。

1.抽剤の選定
液液抽出プロセスでは抽剤の選定が重要です。抽剤は、原溶媒中の目的成分のみを少量の抽剤で大量に移動させることができるものが良いですが、それとともに抽出操作を経済的に行うための性質を有するものが良いです。例えば、プロセス上では目的成分との分離が容易であること、目的成分より沸点が高いこと、原溶媒と抽剤の相互溶解が少ないことが望まれます。 また、プロセス上、優れた性質を持つ抽剤であっても、それが高価な場合や入手が困難な場合には工業的に使用できるか等、総合的に判断する必要があります。
2.平衡データの取得および必要理論段数の推算

文献等に平衡データが無い場合は、抽料と抽剤の比率を変えて振とうテストを実施し、分液後、各相の成分を分析し平衡曲線を作成します。また、既設備や知見が無く、必要理論段数が不明な場合にはバッチシミュレーションにより必要理論段数を推算します。バッチシミュレーションでは、向流抽出を再現するために多回抽出、分液操作を繰り返してゆき、都度サンプリング分析することで、目的濃度に到達しているか否かを確認します。
一例として、所要理論段数4段に相当するバッチシミュレーションのカスケード図を右図に示します。図中の丸印が抽出・分液操作を表し、矢印が分液後の液の流れを示しています。下段にあるE1およびR4を分析し、目的濃度に達しているか確認することで、必要理論段数に足りているかを確認します。

なお、既設備がある等、平衡データや所要理論段数の推測ができる場合は、本テストを実施せずに次の手順に進むケースもあります。

3.パイロットテスト
往復動型抽出装置を設計する前には必ずパイロットテストを実施し、スケールアップ用のデータを取得します。パイロットテストでは、目的成分の分離ができているかの確認に加えて、以下の項目の確認を実施します。
1) 連続相の選定(一般的には抽剤が連続相)
2) 抽剤比
3) 負荷流量
4) 多孔板間隔
5) フラッディングポイント
6) ストローク数
7) HETS(1理論段あたりの高さ)
8) その他、特に配慮すべき点の有無(ex.静置時間・析出物の有無および発生場所)
パイロットテストでは、物性データでは判断できない液滴の状態、流動状態を目視で確認し、適切な状態となるよう調整することが重要となります。また、テストで実施した条件からスケールアップするため、実機を想定したテスト条件を選定する必要があります。

パイロットテスト機

当社では、パイロットテスト機の貸出を随時行っておりますので、お客様の工場で実液を使用したパイロットテストを実施することが可能です。
テスト機は、ガラス製で内部を目視確認できる構造です。プレートスタック部の内径は25.4mm、プレートスタック長さは1220mm、1830mm、2440mm、3050mmの4種類から選択可能です。HETSの過去のデータが無い場合は、HETS=300mmと仮定してテストを実施し、HETSを算出します。その際に、理論段数が不足する場合や過剰な場合は、テスト機を組替え、適切な長さとしてデータを取得します。

4.スケールアップ
パイロットテスト機で得られたデータから、実装置にスケールアップする手法が確立されています。
本装置の特長として、プレートスタックは径方向には相似の構造をしており、プレートの動きも往復動であるため、性能に対して径方向の影響がほとんどありません。したがって、塔径はテストで実施した負荷流量と合うように塔径を決定することが可能です。ストローク数とプレートスタック部高さは当社ノウハウにより決定します。テスト結果を反映した性能曲線は以下の通りとなります。

用途

分  類 代表的なプロセス
プロセス ビタミン類、エステル類/脂肪酸類、ミネラル類、精油、銅溶液、スルファ剤等の薬剤、
ニトロベンゼン/ニトロトルエン
回  収 水溶液中の酢酸、水溶液中のフェノール、ウラン、核燃料、抗生物質
分  離 各種異性体、ニッケル/コバルト等の金属
除  去 処理液中のフェノール、有機物質、無機物質
精  製 リン酸、抗生物質
乾  燥 混和性溶媒/不混和性溶媒

よくある質問

下記のような課題を抱えていませんか。住友重機械プロセス機器の抽出設備なら、解決可能です。

既存プロセスは蒸留操作での分離だが、新プロセス検討では省エネルギー化したい。
抽出操作の導入による省エネルギー化

熱エネルギーを要しない抽出操作への変更による省エネルギー化が見込まれます。

抽出操作はプロセスに対し第三成分を添加する必要がありますが、熱エネルギーを必要としないため、蒸留操作から抽出操作への転換で省エネルギー化が可能です。特に水溶液からの高沸成分回収などの脱水操作では、抽出設備の導入による省エネルギー達成が顕著です。

バッチ抽出プロセスで高段数操作を実施しているが、運転が煩雑。省力・省人化したい。
連続抽出装置として高理論段プロセスに最適な抽出塔

高理論段操作には、住友の往復動式抽出塔が最適です。

バッチ式の抽出操作では十分な分離ができない高理論段抽出操作に最適で、バッチ式と比較して連続式のプロセスはシンプルになります。

蒸留による分離が難しいプロセスをどうしたらいい?
抽出操作をぜひご検討ください。

共沸系・沸点差が小さい系・加熱により色や香りなどといった品質に影響を受ける系など、蒸留による分離が難しい系で効率的なプロセスが構築できます。

カタログ

カタログでは住友の往復動式抽出塔についてご紹介します。

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