蒸留・抽出設備 ハイレンジ対応型ディストリビューター(チャンネルタイプ)

ターンダウン 1:10 を実現

運転範囲が広がり、 多品種生産にも対応可能
最適な運転条件の実現により製品純度の向上、 回収率の改善

ターンダウンとは?

蒸留塔の最小処理量を1とした場合に、 最大処理量が最小処理量の何倍になるかを表す指標です。
ターンダウンが大きいということは、 蒸留塔の運転範囲が広く、 様々な運転パターンに対応できることを示します。

近年、 製造業の現場では、 生産の効率化と多種多様な顧客ニーズに対応するために、 一つの設備でさまざまな製品を製造する多品種生産が求められています。
その際、 バッチ蒸留プロセスなどにおいては、 製品の種類、 分離スペック等の違いから様々な還流比での運転が必要になりますが、 従来型チャンネルタイプのディストリビューターでは、 ターンダウンが小さいことで運転範囲が制限され、 理想的な運転条件から逸脱した状態での操作を強いられてしまうという問題がありました。

従来型ディストリビューターとの性能比較

例えば、 以下のような運転条件を想定した場合、 各々の還流量を比較すると、 初留:主留①:主留② = 1:5:10 となります。
従来型のディストリビューターで対応可能なターンダウンは 1:5 であるため、 このようなプロセスで初留の運転条件で設計した従来型ディストリビューターを採用すると、 初留及び主留①の運転条件では問題なく運転可能ですが、 主留②の運転条件ではオーバーフローしてしまい、 蒸留塔が本来の分離性能を発揮できなくなる可能性があります。
一方、 主留②の運転条件で設計した従来型ディストリビューターを採用すると、 主留①及び主留②の運転条件では問題なく運転可能ですが、 初留の運転条件では液深不足により不均一分散となり、 蒸留塔が本来の分離性能を発揮できなくなる可能性があります。

工程 初留 主留① 主留②
留出量
[kg/h]
910 550 100
還流量
[kg/h]
90 450 900
還流比 0.1 0.8 9.0

実際の運転例(バッチ蒸留設備)

実際の運転例(バッチ蒸留設備)

以下のグラフで示す通り、 従来型のディストリビューターで対応可能なターンダウンは 1:5 でしたが、 当社のハイレンジ対応型ディストリビューターでは、 ターンダウン 1:10 を実現しました。
運転範囲が従来型より広いため、 初留及び主留②、 どちらの運転条件であっても、 より理想的な状態で運転が可能となり、 製品純度の向上や回収率の改善といった効果が期待でき、 従来型では適用困難であった多品種生産にも対応可能となります。

ターンダウンの比較
(Min.処理量が30%の場合)

ターンダウンの比較

※分散性能については、 従来のチャネンネルタイプの
ディストリビューターと同様となります。

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